「新卒入社した会社が自分の思っていた会社と違って、会社を辞めたい。。」
これまで苦労して勉強し続けて大学に入り、複数回の面接を通過して掴み取った内定。苦労して掴み取った未来に期待して入社した後、いざ会社で勤務してみると仕事に行くのが苦痛で仕方がなく、辞めたいと感じている。
そんな新卒入社者の数は実は少なくありません。
もっとも低い離職率を誇る大卒者の場合においても、3年以内に3割以上の新卒が離職しています。
出典元:「学歴別卒業後3年以内離職率の推移」厚生労働省
「新卒で入った会社は最低3年以上勤務しないと他の企業でも使い物にならない。」といった言い方がされることも多いですが、見方を変えれば未経験の職種にも転職できる可能性が高い貴重な20代の3年間を無駄に過ごすことにもなるかもしれません。
とはいえ、新卒で仕事を辞めた先にある未来が見えず、退職すべきかどうか悩むことも少なくないのではないでしょうか?
筆者自身、新卒入社半年で退職をして転職をした経験を持ちます。
筆者自身の体験と人材会社での採用支援経験に基づいて、この記事では以下の内容について解説していきます。
- 新卒が仕事を辞めたいと感じる理由
- 新卒で仕事を辞めるメリット・デメリット
- 新卒で退職したほうがいいケースとそうでないケース
- 離職率が高い仕事とは?
- 新卒が円満退職するための4STEP
- 新卒で退職した後の転職を成功させるノウハウ
新卒入社した会社を退職することは社会人人生における大きな分岐点となります。
この記事を読んで、新卒で本当に仕事を辞めるかどうかを客観的に判断しましょう。
この記事の目次
新卒が仕事辞めたいと感じている理由
新卒で入社した人が仕事を辞めたいと感じている原因はどのようなものがあるのでしょうか?
アックスコンサルティングの行った「新卒1年目の仕事の意識調査」によると、仕事を辞めたいと感じている人の具体的な理由として、以下のような理由が挙げられました。
- 「上司との関係が上手くいかなかったから」(40.3%)
- 「給料が低いから」(33.3%)
- 「同僚との関係が上手くいかなかったから」(21.2%)
- 「仕事で成果が出なかったから」(20.6%)
- 「希望の部署に配属されなかったから」(19.4%)
- 「会社の制度が合わなかったから」(18.8%)
引用元:「「新卒1年目の仕事の意識調査」に関するアンケート結果公開6割が新卒1年目で「仕事を辞めたい」と思ったことがあると回答」株式会社アックスコンサルティング
それぞれについて具体的に確認しましょう。
上司との関係
新卒で入社した際の直属の上司との関係が上手くいかずに辞めたいと感じるパターンです。
新卒に限らず、一般的に企業を辞める原因として主要な理由の1つです。
- 理不尽な理由で叱責される
- 不当な評価をされる
- ミスの責任をなすり付けられる
- 残業を強要される
等が原因となり、上司への信頼を失い、会社の退職を検討するケースもあるでしょう。
一方で、必要なスキルを教育するためにあえて上司が自身に対して厳しく接するケースも少なくありません。
しばらく上司の厳しさに耐える間に、知らず知らずのうちにスキルが身についていることに気づくこともあるため、慎重に退職すべきかを検討する必要があります。
https://twitter.com/Jp2WTK6XzzsBprH/status/1273534092689027072?s=20
給料の低さ
給料の低さに嫌気が差して辞めるケースもあります。
しかし、新卒は業務に必要な知識や技術が乏しいため、企業への付加価値を殆ど返すことが出来ません。
そのため、新卒に対する給与は、企業が新卒入社者が活躍するまでの自身に対する投資の意味合いが含まれているケースが多いです。
そのため、業務を通じてスキルを培うことで給与は向上する場合が殆どです。
逆に、業務に必要な能力が自身に乏しい状態で退職して転職活動を行った場合も、潜在能力に期待して採用されるケースが大半のため、給与の向上は期待できないでしょう。
https://twitter.com/gypsyworkers/status/1033669408990941185?s=20
同僚との関係
同僚との関係が悪化して退職を検討するケースもあるでしょう。
同僚からの自身に対する陰口や悪口等にうんざりして、「仕事を辞めたい。」と感じることも多々ありますよね。
陰口や悪口は仕事で成果を上げている人への嫉妬やその人の活躍により自分の業務範囲が狭くなる不安に端を発する事例が多い傾向にあります。
仮に、業務上での嫌がらせの一環として、業務の押し付けや業務の粗探し等をされた場合、黙々と業務をこなして社内での発言力を高めることが有力な方法です。
他にも、人事権を持つ役職者に相談することで別の部署に異動を検討してくれる可能性もあります。
退職以外にも人間関係に関する問題は解決できる可能性があるため、辞める前に一度社内で解決できないか検討することをお勧めします。
https://twitter.com/Hangman37564/status/1273118813140258826?s=20
仕事の成果が出ない
社会人として初めて企業での業務をした際に、これまで学習してきた内容がまるで役に立たず、何もできない自分に対して絶望感すら覚えることもあるでしょう。
新卒1年目は、日常業務をこなす事で手一杯で成果を上げるための戦略や手段にこだわる余裕もないケースが殆どでしょう。
企業としても、新卒1~2年目の社員にはまずビジネスに携わる上での基礎となる能力の醸成に努めることを求めるパターンが大半だと考えられます。
まずは仕事に慣れてもらうために、目標も比較的低めに設定されることが一般的です。
ただし、企業によっては敢えて厳しい目標を課すことで、目標数値から逆算して実行すべき行動を決定する自律力を育てるケースもあります。
自分で考えて行動して、コンスタントに成果を出し続けることは簡単なことではありません。
新卒ではなくとも、上記のような思考力と行動力を合わせもつ社会人は稀でしょう。
一般的な社会人ですら、コンスタントに成果を出す人は重宝されるため、新卒入社してすぐに仕事で成果が出ないからと辞めるのは早計だと言わざるを得ません。
まずは素直に上司や先輩社員からの指摘内容を確実に改善することで、業務遂行に必要な基礎能力を培うことに注力しましょう。
デザインやライティング関連の仕事になって数年経つけど、この時期に毎年、その年の新卒が「成果でない〜!」って叫び出すのを目の当たりにして、「そんなに早く成果出ると思ってたの!?」って驚きをぐっと飲み込みながら励ますと、夏の訪れを感じる。
— よっしー (@sunakeshi) July 3, 2018
部署の配属の問題
自身が希望していた部署に配属されなかったことを理由に辞めたいという思いが募るケースです。
会社で自分が希望している仕事を初めから任せられることはほとんどないでしょう。
例えばマーケティングの仕事をやりたい場合、新卒入社したての段階で実践的な知識や経験はほとんど皆無の状態です。
企業としてはマーケティング業務経験豊富な人材に仕事を与えた方が成果を上げる可能性は高いと判断するのが妥当ですよね。
つまり、既に業務経験がある社員に重要な仕事は任せて、新卒には失敗してもリスクが比較的少ない業務を任せることが一般的なのです。
そのため、新卒が「会社の重要な仕事を早く任せてもらいたい。」と特定の部署の業務を希望しても、希望が叶う配置が行われる可能性は少ないでしょう。
さらに、希望部署で行う業務に適性が無いと判断されるケースもあります。
これらの理由から初めから希望する部署に配属される可能性は一般的にも低いということを知っておく必要があります。
そんなわけで金持ちが嫌いだったのに、新卒で配属になったのが何故か高級車ディーラー…金持ちのために仕事をしたくなくて、ずっと葛藤した結果ノイローゼになり、当別に戻ってきた経緯があります。
— やみ(紫妖夜魅)@暫し休息 (@shiyou_yami) June 1, 2020
自分が頑張ればその分金持ちが喜ぶ、それがたまらなく嫌だった記憶があります。
会社の制度が合わない
会社の福利厚生や労働時間といった制度が自身に合わないことで仕事を辞めたいと感じるケースもあります。
福利厚生が思ったより充実していなかった場合や、残業が多い職場であったケースにおいて仕事を辞めたいと感じることもあるでしょう。
新卒で仕事を辞めるメリット、デメリット
ここまで新卒が仕事を辞めたいと感じる理由についてご紹介しました。
新卒で辞めるべきかどうかを迷ってこの記事たどり着いた方も多いのでは無いでしょうか。
ここでは辞めるべきかどうかの判断材料として、新卒で仕事を辞めるメリット、デメリットを確認します。
新卒で仕事を辞めるメリット
新卒で辞めるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
仕事を辞めたいと感じた原因から解放される
仕事を辞めたいと感じた原因から解放されます。
しかし、仕事を辞めたいと感じた原因を深く追求した上で転職活動を行わないと、転職先でも同じ問題が発生する可能性があります。
退職する際には「なぜ?」を5回繰り返して退職理由の本質を追及した上で、本質的な退職原因に基づいて転職先選びの基準を取り決めることを心がけましょう。
- 「人間関係が辛い」
- 「同僚との人間関係がうまくいかない」
- 「同僚との競争させる企業文化が合わない」
- 「成果至上主義の評価で人の温もりを感じない」
- 「人が困っていたら助けるような風土ではない」
就職活動の失敗を修正できる可能性がある
新卒で入社した会社を辞めたいと感じている場合、就職活動に対する後悔の念を少なからず抱く人もいるでしょう。
新卒で採用された会社を辞めて、新たに転職活動を行うことで、就職活動で失敗して後悔した事柄を反省した上で転職先選びが出来ます。
実際に新卒入社してから、業務内容の向き、不向きに気づくことも少なくありません。
本当に自身がやりたい、もしくは向いている仕事に転職することで、より自身にとって充実感のある業務に就ける可能性があることもメリットの1つです。
全く異なる業務に挑戦できる
異業種あるいは異職種に転職することで、新卒入社して任された業務とは全く異なる業務に挑戦することができます。
これまで任せられてきた業務にとは全く別物の能力を求められるのは、珍しいことではありません。
例えば筆者の場合、新卒入社してから半年後にwebディレクターから営業へ転職しました。Webディレクターとしてはスケジュール、予算の管理能力や課題抽出スキル等を求められました。
一方、営業としてはコミュニケーションスキル、顧客管理能力、行動力等の能力を必要とします。
転職した結果、求められる能力として全く異なる部分と親和性がある部分があったため、自身の能力の幅を広げることができました。
会社での異動があった場合にも、従来の業務との親和性が高い仕事が任せられるケースが多々あります。
全く異なる異業種、異職種に挑戦できることも大きなメリットと言えます。
潜在的な能力が考慮される
20代の間は実績で評価できるほどの業務経験を積んでいないケースが大半のため、潜在能力をある程度考慮されます。
30代以上の転職活動において、即戦力が求められるため、実績や業務能力を中心として採用の可否が決定されます。
そのため、30代以降に異職種に転職することは困難となります。
潜在的な能力を考慮される今だからこそ、全く異なる業務にも挑戦出来る可能性があるのです。
新卒で仕事を辞めるデメリット
一方、新卒で仕事を辞めるデメリットについても確認しましょう。
仕事の継続に不安を感じられるケースがある
理由は何にせよ自身で選んだ就職先で業務が続かずに退職したことは事実です。
そのため、初めの就職活動と比較した際に、転職先で業務を長く続けることができるかをより注意深く確認されるでしょう。
具体的には退職理由の妥当性や企業文化とのマッチング、業務適正について、より詳細に吟味される傾向にあります。
上記の内容についての確認は、企業にとっての早期退職リスクを減らすだけでなく、転職者にとっても企業や業務とのミスマッチにより職務経歴に傷がつかないためにも重要です。
転職エージェントを活用することで、不採用となった理由をフィードバックしてくれるケースもあるため、自身の面接でのアピールを振り返る機会にもなります。
自身で求人サイトから応募した際には、得ることの出来ない面接担当者からのフィードバックに関する情報が獲得できるため、転職エージェントの利用をお勧めします。
雇用保険の支給条件を満たさない場合がある
通常の自己都合退職であれば、退職するまでの2年間で1年以上の雇用保険の被保険者期間がない場合は、雇用保険を受給することが出来ません。
11日以上勤務している月が半年または1年以上ある必要があります。
会社都合退職の場合、特定受給資格者に規定されて6ヶ月以上の被保険者期間があれば雇用保険の受給が認められます。
自己都合退職の場合においても、「正当な理由」と認められ得るケースでは「特定理由離職者」に規定されることもあります。
なお、特定理由離職者は退職前の1年前に被保険者期間の6ヶ月以上あれば雇用保険の受給が認められます。
雇用保険の受給資格を満たしていない場合、貯蓄が一定金額ないと退職後に転職活動を行うことが困難となります。
転職活動において、求人への応募から転職先で給与を得るまでに少なくとも3ヶ月以上必要であると考えられます。
その期間中、アルバイトで得た収入を除いては、自身の貯蓄で生活しなければなりません。
雇用保険が受給できない場合、生活費が困窮しがちになることは大きなデメリットでしょう。
職務経歴に傷がつく
職務経歴に傷がつくこともデメリットの1つです。
新卒で入社した会社を数ヶ月程度で離職したという職務経歴は、転職の際に少なからずデメリットとなります。
退職する方が良いケースとそうでないケース
これまで新卒で退職する際のメリット・デメリットについてご紹介してきました。
メリットとデメリットを比較した上で、退職する覚悟ができたといえども、「自分の場合は本当に退職しても大丈夫なのかな?」と不安になるのも無理はありません。
ここからは新卒入社した会社を退職する方が良いケースとそうでないケースについて解説していきます。
新卒で退職する方が良いケース
まずは新卒でも退職する方が良いケースについてご紹介します。
ハラスメントが横行している場合
パワハラやセクハラといったハラスメントが社内で横行している場合、退職することをお勧めします。
精神的苦痛を与えるような叱責も業務上適性とみなされる範囲を超えるようなケースではパワハラに該当します。
必要性のないボディータッチ等はセクハラに当たります。
上記のようなハラスメント行為が職場内で横行している場合、その会社で勤める限り精神的負担を追い続けることになります。
心身を壊して社会復帰出来なくなる前に、退職することをお勧めします。
会社のコンプライアンス意識が低い場合
会社の法令遵守意識が低い場合も、退職した方が良いでしょう。
具体的には残業代の未払いがあるケースや強制的に退勤ボタンを押させて、労働時間を過少に見積もるような場合、会社全体のコンプライアンス意識が低いと言えます。
このような会社にいる限り、労働力の搾取が行われ続けてしまいます。
このような環境に慣れてしまい、損をしないためにも退職することが賢明な判断です。
残業が異常に多い場合
終電近くまで残業することが当たり前の職場で心身状態に不調を感じるような場合も退職をお勧めします。
外資コンサルや大手広告代理店のような、激務が必須な会社も少なくありません。
激務である分、年収が高いケースもありますが、日々終電まで残業して精神疾患を患った場合、社会復帰すら難しくなります。
残業続きで心身に不調を感じる場合は、早めに退職を検討することをお勧めします。
会社が倒産した場合
会社が倒産した場合、そもそも仕事を離職せざるを得ません。
短期離職にはなるものの、転職活動においてマイナスにの印象を会社に与えるケースはほとんどないと考えられます。
会社の倒産に対して1人の新卒が到底抗えるものではないことは企業担当者にも分かりますよね。
ただし、転職面接で良い印象を与えるためには、退職理由として企業の倒産を他責にすることなく伝えることが重要となります。
「新卒入社した会社は倒産しましたが、倒産を目前とした会社に対して能力不足のために何も貢献出来なかった自分が悔しく思えました。」
上記のような伝え方をすることで、自身の成長に対する貪欲さをアピールすることにも繋がります。
心身状態に支障をきたす場合
心身状態に支障をきたしているような場合は一刻も早く休職あるいは退職を検討することをお勧めします。
特に鬱病等を患った場合、自身の労働環境を見直さない限り、症状は悪化の一方を辿るケースがほとんどです。
近年、鬱病を放置した結果、自殺に追い込まれるニュースが後を断ちません。
製薬会社「サノフィ」(東京都新宿区)に勤めていた男性(当時47)が自殺したのは、「うつ症状があったのに適切な対処をしなかったためだ」として、遺族が同社に1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、会社に約2490万円の支払いを命じた。鈴木正弘裁判長は「自殺の2日前には男性の異状に気づけたのに同社は対応を怠った」と述べた。
将来に明確なビジョンがある場合
自身の将来に関する明確なビジョンがあるようなケースは退職を検討しても良いでしょう。
将来の実現したいことへ向かう成長のために退職する場合、引き留めに合うことも少ないため退職トラブルにも発展しにくいと考えられます。
ただし、自身の実現したいビジョンにたどり着くための方法が現実的でありかつ成功率が高いと判断出来るかどうかを改めて確認してから退職を検討するようにしましょう。
新卒で退職しない方が良いケース
一方で、新卒で退職しない方が良いケースとしてはどのようなケースがあるのでしょうか?
貯蓄がない場合
在職中に転職活動を行うケース以外においては、少なくとも3ヶ月以上生活費出来る程度の貯蓄がないと生活に困窮する可能性は否定できません。
雇用保険の受給条件を満たしている場合でも、7日間の待機期間の後に3ヶ月間の給付制限期間を経るまで支給されません。
雇用保険の受給と並行してアルバイトを行うことは可能ですが、週20時間以上労働すると雇用保険の加入条件を満たすことになり、就職したものとみなされることがあります。
就職したとみなされた結果、雇用保険が打ち切られる可能性があります。
そもそも、退職からのブランクとなる期間が長いと転職活動に不利となるケースが少なくないため、アルバイトに割く時間を転職活動に回す方が賢明な判断です。
退職後、生活費の心配をせずに転職活動に集中するためにも一定額の貯蓄が必要となります。
人間関係が主な退職理由である場合
業務を進める上で、同僚や先輩、上司とのコミュニケーションは不可欠です。
人間関係がギクシャクしてしまい、お願いしたい業務も頼みにくくなることもよくあることです。
しかし、人間関係の問題は人事権をもつ役職者に相談することで、部署異動や人員配置の変更を検討してもらえる可能性があります。
また、人間関係に関する問題は転職先でも生じることが多々あります。
エンジャパンの調査によると、人間関係が原因で転職を検討したことがある人の割合は53%にも昇りました。
「1万人に聞く「職場の人間関係」意識調査 」エンジャパン
まずは社内での解決や家族や友人との相談を通じて解決することをお勧めします。
仕事自体に嫌気が差している場合
仕事自体に嫌気が差して辞めたいと感じる場合も、踏みとどまるべきです。
どんな仕事であれ嫌気が差すような業務内容は少なからずあります。
「仕事が辛いから逃げたい。」といったような理由から退職を考えている場合、転職においても不利となる可能性があります。
転職が当たり前の時代になったといえども、社員を長期的に育成して将来的な活躍を期待する企業は少なくありません。
長期的な活躍を期待する企業の採用担当者の目に、「業務内容に辛さを感じた。」という退職理由は採用の可否を悩む不安要素として映るのも無理はないでしょう。
転職先のイメージが湧かない場合
転職先のイメージが湧かない場合も退職を踏みとどまることをお勧めします。
転職先のイメージが湧かない状態で退職しても、無職でありながらも将来どのような仕事につけば良いのかわからない状態となります。
見えない将来と無職である自分が不安になり、気分が落ち込むことにもなりかねません。
さらに転職活動でも、将来自分がなりたい姿がわからないため、志望する業界や職種も定まりにくいでしょう。
仮に何となく目についた求人に応募しても、面接で志望動機を聞かれた際にうまく答えられず不採用となるのが関の山です。
離職率が高い仕事4選
「自分のやっている仕事は世間的には辛い仕事なのだろうか。」
そのような疑問を抱くこともあるのではないでしょうか?
業界別の離職率を確認することで、世間的にみた自分の仕事の辛さを推し量ることができます。
では一般的に離職率が高いのはどのような仕事なのでしょうか?
厚生労働省の産業別入職率、離職率に関する調査によると、以下の業界における離職率の高さが目立ちます。
- 宿泊業、飲食サービス業(30%)
- 生活関連サービス業、娯楽業(22.1%)
- 不動産業、物品賃貸業(16.5%)
「平成29年雇用動向調査結果の概要」厚生労働省
宿泊業、飲食サービス業
宿泊業や飲食サービス業は土日祝日の客数が多いため、休みを取りづらいことや給与が低いことが離職率が高い要因となります。
また、立ち仕事や肉体労働がメインの業務であるため、疲労が蓄積しやすいことも退職を検討する人が多い原因の1つと考えられます。
生活関連サービス業、娯楽業
生活関連サービス業、娯楽業は生活に密着した仕事を指します。
具体的には以下のような業務が当てはまります。
- クリーニング業
- 美容、理容業
- スーパー銭湯、銭湯
- エステティック、リラクゼーション業
- 旅行業
- 冠婚葬祭業
等
人の生活に密着した業務となるため、顧客満足度を高めるためにハイクオリティなサービスを提供する必要があります。
高品質なサービスを実現するためには、それに相当する業務量をこなす必要があることからハードな労働環境になることは必須です。
その過酷な労働環境が離職率の高さに繋がっています。
不動産、物品賃貸業
不動産、物品賃貸業界は、売上ノルマ達成に対する会社の期待が特に大きい業界です。
特に不動産は、売れ残った物件が多ければ多い程収益性が落ちるため、営業担当としてノルマ必達を日々会社から求められることに嫌気が差して辞める人も少なくありません。
新卒で円満退職するための4ステップ
前述した通り、新卒でも辞めてもいいケースに当てはまれば、退職も選択肢の1つとして視野に入れても良いと考えられます。
しかし、新卒入社して数ヶ月で退職する際に退職トラブルに発展する可能性は、通常の退職と比較しても多い傾向にあります。
では退職トラブルにならずに円満退職するには、具体的にはどのような手順を踏めば良いのでしょうか?
STEP1:退職意思を伝える場の準備
まず退職意思を伝える場を設けることが第一です。
しかし、新卒であることに負い目を感じて、仕事を辞めたいけど辞められないこともありますよね。
様々な理由から仕事を辞めたいと言い出せないケースも少なくないでしょう。
具体的には以下のような理由で退職を切り出せないことがあると考えられます。
- 新卒で辞めることに負い目を感じる
- 辞めた後の人手不足が心配
- 上司が怖くて言えない
- 期待に応えずに辞めるのが怖い
- 伝えるタイミングが見つからない
各理由に応じて対処法は様々です。
それぞれの理由ごとの具体的な対処法については、以下の記事をご確認下さい。
まずは退職意思を伝える心構えをした上で、落ち着いて上司に転職の申し出を行う場を設けましょう。
STEP2:適切な退職理由の検討
次に退職トラブルに発展しにくい退職理由を用意しましょう。
退職理由を検討する際には以下の記事をご活用下さい。
STEP3:退職届の作成
次に退職届を用意しましょう。
具体的には以下の項目を記載します。
- 退職意思の記載
- 退職理由
- 退職日付
- 届出年月日
- 所属部署
- 氏名
- 宛名
以下のテンプレートを活用して作成しましょう。
STEP4:退職の申し出
後はいよいよ退職の申し出を行うフェーズです。
事前に用意した退職理由をはっきりと伝えましょう。
新卒は採用コストが高いため、引き留めに合うケースも少なくありません。
引き留めにあったとしても、退職意思が固いのであれば、断固として退職意思を貫くべきです。
企業にとっても新卒採用した社員が辞めることは、採用コストが無駄になるだけでなく、会社全体の士気にも影響しかねないため、必死に引き留めようとする可能性があります。
最悪の場合、退職トラブルにもつながることも覚悟の上で退職意思は曲げずに貫き通すことをお勧めします。
新卒で辞めた際に転職成功させるノウハウ
新卒入社した会社を辞めた後に転職を成功させるためにはいくつかのポイントがあります。
ここでは新卒で辞めた後の転職活動を成功させるためのノウハウをご紹介します。
自身の仕事に関する価値観を深く考える
新卒入社してすぐに退職した場合、転職面接において企業は価値観のマッチングを重視する傾向にあることは前述の通りです。
そのため、自身の仕事に関する価値観をより深く考える必要があります。
人は人生における様々な出来事とその際に自身が行った行動から自身の価値観が醸成されます。
価値観に基づく行動の選択が、人生の様々な結果を左右します。
企業の重視する価値観と自身の価値観の親和性を採用基準とすることで、企業にとって行動指針も周囲の社員と揃いやすくため、実績や業務能力がまだ乏しい新卒入社後すぐに辞めた転職者にはより価値観を重視した選考を行う傾向にあります。
人生におけるターニングポイントを整理
自身のこれまでの人生における行動を振り返り、人生において価値観を変えるような大きな出来事を洗い出しましょう。
その出来事を以下の要素について整理してください。
- 状況
- 問題点
- 解決策
- 得た価値観
整理したら、面接を受ける各企業の志望動機として、企業が重要視している価値観と一致する自身の価値観を整理して伝える準備を行いましょう。
具体的には以下のように伝えると良いでしょう。
退職理由を他責にしない
退職理由を他責にしないことは何よりも重要なポイントです。
長期間の会社選び可能な期間を経て、新卒入社からわずかの期間で退職した時点で、「自身の将来に関する見立てが不十分だな。」と転職の際に採用担当者からみなされても不思議ではありません。
採用担当者が見たいのは、新卒入社時の会社選びに対する自身の反省を活かして転職先選びをしているかどうかです。「会社の雰囲気と合わなかった。」等の他責にして自身の行動や考えに対する反省の意思が見られない退職理由を伝えるのは論外です。
自身が新卒入社後すぐに退職した事実に対して改めて振り返った上で、反省するべき点を整理した上で退職理由を伝えましょう。
まとめ
今回は新卒が仕事を辞めるかどうかを判断するために必要な情報を中心に解説してきました。
新卒入社して間も無く仕事を辞めることは職務経歴に少なからず傷をつけることになります。
今回ご紹介したメリット・デメリットを比較した上で、慎重に退職するか否かを判断しましょう。