新卒入社した会社で、想像していた生き生きとして輝いていた自分と現実のギャップが辛くて、仕事に行きたくないと感じる人も少なくないのではないでしょうか?
でも仕事に行きたくないからといって、簡単に仕事を辞めても解決するか不安ですよね。
実際に、新卒入社して1年以内に辞めた人への転職市場での風当たりは厳しいものがあります。
この記事では、仕事に聞きたくない新入社員に向けて以下の内容について解説しています。
- 新入社員が仕事に行きたくない理由
- 入社間もなく仕事を辞めた場合のデメリット
- 新卒入社した会社に行きたくない場合の対処法
- 新入社員が転職するのにベストなタイミング
この記事を読んで、仕事に行きたくない理由と対処法を知り、転職するのにベストなタイミングまで仕事を継続することを目指しましょう。
新入社員が仕事に行きたくない理由
新入社員が仕事に行きたくない理由はどのようなものが考えられるのでしょうか?
アデコグループの行った新卒入社3年以内離職の理由に関する調査によると、以下のような理由で新入社員が早期退職しています。
- 自身の希望と業務のミスマッチ(37.9%)
- 待遇や福利厚生に対する不満(33.0%)
- キャリア形成が望めないため(31.5%)
- 長時間労働のため(31.2%)
- 上司や同僚との人間関係に関するストレス(25.8%)
引用元:「新卒入社3年以内離職の理由に関する調査」Adecco Group
仕事に行きたくないことから休みがちになって、その後早期退職することが多いです。
そのため、上記のデータは新入社員が会社に行きたくない理由に関するものと捉えて差し支えないと考えられそうです。
それぞれの理由について具体的に確認しましょう。
自身の希望と業務のミスマッチ
自分が入社前に思い描いていたイメージと実際の業務が異なることに失望して、仕事に行きたくないと考えるケースです。
会社説明会で会社のホープである若手社員の熱い説明を聞いて仕事に対して華やかなイメージを入社したら、聞いていた業務内容が任されなかったといったことは良くあります。
しかし、冷静になって考えると当然のことです。
新入社員は社会人としての業務経験がゼロの状態からスタートすることがほとんどです。
思い描いていた華やかな業務を遂行するためには、それ相応の業務能力が必要なため、企業はその業務をできる人に任せることが通常です。
入社したての頃は業務遂行に必要な基礎力をつけるために、それほど重要な仕事が任されないことが一般的でしょう。
つまらないと感じる業務をこなすことで、基礎となる業務能力を身につけた先に、会社説明会で聞いていたような華やかな業務に就く権利が与えられるのです。
華やかな仕事だと思っていた仕事も実は、責任感を伴う仕事で安易に楽しいとは言えないようなことも少なくありません。
実際にベースメントアップス株式会社が行ったアンケート調査によると、「仕事は楽しいですか?いつから楽しいと感じるようになりましたか?」という質問に対して、「仕事は楽しくない。」と回答した人の割合は82%にも登ります。
引用元:「仕事は楽しくないのが当たり前!?仕事を楽しくないと感じている人は全体の82%、「入社後、辛い時期は最初だけ、慣れれば楽になる」は嘘なのか!?」ベースメントアップス株式会社
仕事は必ずしも自身の想像通りの楽しいものではないことが、このアンケート調査からもお分りいただけるでしょう。
待遇や福利厚生に対する不満
大学の友人から他の企業の収入や福利厚生の話を聞いて、自身の待遇や福利厚生に不満を感じることがあります。
新入社員として入社時には、年収が高いケースの方がむしろ稀です。
どれだけ優秀な人でも、入社したての段階から即給与に見合うだけの実績が出せることはほとんどないでしょう。
初年収を高いことを売りにしている会社もありますが、今後の成長に期待して企業が投資の意味合いで行っていることがほとんどです。
業務を通じてスキルを養い、成果を上げることでそれに見合った給与を獲得できるようになります。
業務を通じて出した成果は、転職の際にも評価を得ることができるため、まずは目の前の業務を通じて実績を上げるに足るスキルを身につけることを第一目標にすることをお勧めします。
キャリア形成が望めない
志望していた会社への入社が叶わなく、妥協して入社した会社で仕事を行なっていく中で自身の将来に不安を感じることがあります。
そんな中、他のキャリアの選択肢が魅力的に感じて今の仕事をやる意味が見出せなくなるケースが少なくありません。
しかし、新卒入社してして1年も経たないうちに、キャリア形成が望めないことを理由に仕事に行きたくないと考えるのは早計です。
入社してわずかの期間で、自身のキャリア形成として最適な道を選ぶのに十分な知識を獲得できていることはまずあり得ないでしょう。
キャリア形成に関する知識は、業務能力を培っていく中で、色んな職種の方との会話等を通じて自ずと蓄積されていくものです。
目の前の仕事で実績を出せない人が他の職種への転職したところで、また別のキャリアステップに魅力を感じて転職することを繰り返すでしょう。
まずは目の前の仕事をこなしていき、一向に転職市場で認められるような業務能力が身につかない職務内容であると感じる場合に転職を検討しても遅くないと考えられます。
長時間労働
長時間労働を原因に仕事に行きたくないと感じるケースもよくあります。
業種や職種によっては、繁忙期等に長時間労働を余儀なくされることもあります。
実際には1~2時間程度の残業がある会社がほとんどです。
引用元:「約6万8000件の社員クチコミから分析した‘残業時間’に関するレポート」Open Work 働きがい研究所
実際に、Vorkersの在籍企業の評価レポートの集計結果では、平均残業時間が月30~40時間のレンジが大きい割合を占めています。
1日あたり、1~2時間程度の残業は世の中でも普通であるということがお分かり頂けると思います。
中には、残業時間が50~60時間程度の会社員も一定割合存在します。
もし、1日あたりの残業時間が4-5時間以上となると、かなり長時間労働の部類に入ります。
このレベルの長時間残業になると転職を検討しても良いかもしれませんね。
とはいえ長時間残業が精神的負担となり、うつ病になるまで我慢すると社会復帰自体が難しくなってしまいます。
自身の残業時間と精神状態のバランスを考えた上で、転職も視野に入れると良いでしょう。
上司や同僚との人間関係に関するストレス
上司や同僚との人間関係に関するストレスが原因で仕事に行きたくないと感じることもあります。
エンジャパン株式会社が行った職場での人間関係に関する調査によると、先輩や上司との具体的な人間関係に関する難しさを感じる理由は以下の通りです。
- 威圧的に感じる
- 気分に浮き沈みがある
- 指示に一貫性がない
引用元:「1万人に聞く「職場の人間関係」意識調査」エン・ジャパン(en-japan)
上司のパワハラに近い言動が威圧的に感じて「仕事に行きたくない。」と感じることもあります。
また、理由も伝えられることなく前に指示された内容と全く異なる内容を支持されることに理不尽さを感じるケースもあるでしょう。
その日の気分によって、普段通りのコミュニケーションを取ったはずなのに注意されることもありがちです。
一方、同僚や後輩との人間関係に難しさを感じる理由については以下のような結果でした。
- 不平不満が多い
- 自分の意見や考えに固執する
- 人柄が信頼できない
様々な理由で人間関係に悩みを抱える人が少なくありません。
しかし、人間関係に関する問題はほとんどの職場で起こり得る問題であり、転職をしたところで解決する問題とも限りません。
そのため、人間関係に関する悩みを解決する自分なりの方法を模索する必要があります。
具体的な解決法については以下の記事で詳しく記載しているため、ご覧ください。
入社間もなく仕事を辞めた場合のデメリット
入社間もなくして会社を辞めることには将来が見えない不安が付きまといますよね。
では実際に入社間もなく退職するとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
1年以内に退職した場合、マイナスの印象が残る
1年以内に退職した場合、転職活動において企業からマイナスの印象が残ることは否めません。
新卒入社1年目は社会人としての基礎能力を養う大切な時期です。
この基礎力を養う期間中に、会社が合わない、仕事で結果が出せないといった「逃げ」と捉えられかねない理由で辞めてしまうと、「うちの会社に入ってもまた辞めるんだろうな。」と面接官に思われるのが関の山です。
逆に入社2年目の転職者に対する企業からのニーズは高い傾向にあります。
それは企業にとって社会人としての基礎能力がすでに備わった状態でかつ、将来性のある若手人材を採用できるというメリットがあるからです。
しかも、大学卒業後3年間は新卒の求人に応募することが可能です。
新卒の求人には、大手企業の求人も多数あるため、キャリアの軌道修正を行うチャンスが多分にあります。
転職市場での大手企業の求人は、一定の業務経験を求められることが多いため、新卒の求人に応募できることはチャンスだといえますね。
あと1年程度我慢して、今の職場で社会人としての素養を養うだけで企業からの印象が大きく変わります。
この事実を知ったうえで、可能であればしばらく今の仕事を継続した上で、時期をみて転職活動を行うことをお勧めします。
転職したところで同じ悩みをもつことがある
例えば残業の長さや人間関係が原因で辞める場合に特に言えることですが、転職したところで同じ悩みを抱える可能性があります。
残業や人間関係の悩みは程度にもよりますが、どこの職場でも起こりうることです。
残業時間が2-3時間程度である場合や、業務遂行に支障をきたさない程度の人間関係の悩みであるケースでは、転職先でも同様の悩みが起こり得るでしょう。
上記の程度を超えるような場合に、転職を検討することをお勧めします。
退職から転職までの期間の生活が苦しくなる
新卒入社してして間もなく退職すると、十分な貯金が得られず、退職から転職までの期間の生活が困窮することが想定されます。
通常、転職活動をどれだけ急いだとしても、退職から転職までの期間は3ヶ月以上はかかります。
通常の自己都合退職の場合、頼みの綱の雇用保険も被保険期間が12ヶ月以上必要となるため、受給できないことがほとんどでしょう。
雇用保険が受給できないとなれば、無職の期間中は自分の貯蓄で生活する必要があります。
アルバイトをすることもできますが、転職活動とアルバイトの両立が難しく、転職活動中の生活費を得ることが難しくなります。
そのため、場合によってはクレジットカードのキャッシングや消費者金融を頼らざるを得なくなることも考えられます。
借金をしたら、転職後しばらくは給与の一部を返済に回さざるを得ません。
新卒入社間もなく仕事を辞める場合は、このようなリスクを覚悟しなければなりません。
新卒入社した会社に行きたくない場合の対処法
これまでご紹介したような様々な理由で新卒入社した会社に行きたくなくなることがあるでしょう。
しかし、1年も経たないうちにそのまま辞めてしまっては転職活動で不利になる可能性があります。
行きたくなくてもしばらくの間我慢して今の職場で仕事を続けないといけないこともありますよね。
そこでここからは新卒入社した会社に行きたくない場合の対処法についてご紹介します。
新卒1年目はできなくて当たり前と割り切る
仕事が難しいと感じたり、成果が残せない自分に嫌気が差すこともあるでしょう。
しかし、初めて行う業務を他の先輩社員のようにスムーズにこなせることはまずあり得ません。
先輩社員も難しいと感じつつも、業務で失敗を繰り返しながら少しずつ得た知識や経験があるからこそ、スムーズに仕事が出来るようになったのです。
1年目は仕事が思ったようにうまく行かなくて当たり前と心得ましょう。
割り切ってしまうことで、心理的にもできない部分を先輩に聞きやすい状態になります。
新卒の時の扱いはいつまでも続かない
新卒の間、上司や先輩社員から一見意味のなさそうな業務内容を言い渡されたり、理不尽な叱責を受けることがあります。
実はそれらには意図があることが多いのですが、それが新入社員にうまく伝わらないことはよくある話です。
でもそのような扱いはあくまでも新入社員持つべき基礎的な能力を培うために行なっているため、2~3年目以降は同じような扱いを受けないのでご安心ください。
このような扱いが終わるまで、待ちましょう。
周りの評価に過敏にならない
新卒の間は誰しも社内の期待に応えられているのか不安になることがあります。
しかし、周りの評価を逐一気にしていても自身の業務スキルは上がりません。
先輩社員のお気に入りになるよりも、早く成果を上げられる能力を身につけた方が、社内での期待に応えることになります。
あまり周囲の評価を気にせず、自身の業務に集中しましょう。
きっとあなたのひたむきな努力を周囲が見て、評価してくれる人が出てきます。
人間関係に対する対処法を知る
人間関係に関する悩みはどの職場でも発生する問題です。
しかし、人間関係の悩みは自身と相手のどちらかが適切な対処法を知ることで解消することができます。
相手に改善を求めることは現実的ではないため、自分の中で人間関係の改善に努めることが得策です。
新入社員が転職するのにベストなタイミング
新卒入社した会社で仕事に行きたくない気持ちが募り、いよいよ辞めたいと感じることもあるでしょう。
しかし、新入社員が転職するタイミングとしてベストな時期はいつなのでしょうか?
実は新卒入社から2年目の時期が狙い目です。
企業にとって新卒の採用には非常に大きなコストがかかります。
さらに、社会人として必要な基礎的な素養も一から指導しなければなりません。
一方で、新卒2年目の転職者はすでに基礎的な能力が身についているため、社員の育成コストの観点から積極的に採用したい企業が多いです。
また、新卒とほぼ年齢も変わらないため、将来性も見込まれます。
そのため、入社2~3年目の転職者は転職市場において歓迎されることが多いのです。
前述した通り、逆に入社1年目で辞めた場合は、企業から仕事からの逃げと捉えられるため、転職活動が難航する傾向にあります。
このようなことから、仕事を辞めたい場合は新卒入社2~3年目で転職活動を行うことをお勧めします。
まとめ
新卒入社した会社では、初めての社会人経験で悩み事も多くなり、仕事に行きたくないと思いがちです。
しかし、実はその悩み事が世の中では良くありがちな悩みで、割り切るしかないケースもあります。
いずれの理由にせよ、入社1年目での転職は転職市場でも嫌われる傾向にあるので、あと1年経過後に転職活動を行うことをお勧めします。