仕事で抱えるストレスが限界になって、辞めたいと感じることもあるかと思います。
- 上司との人間関係のストレスが限界!
- 業務量が多すぎて、誰も助けてくれない。。。
- 同僚との人間関係がうまくいかない。
上記のような悩みが限界に近づいて、辞めたいと感じることもあるでしょう。
実際にあなた以外にも仕事でストレスを感じている人は多数います。
引用元:「マンパワーグループ、「職場でのストレス調査」結果発表」マンパワーグループ
では、仕事を辞めたいと感じているストレスの原因としてどのような要因が多いのでしょうか。
また、今抱えているストレスに対して、あなたの体はどれくらい限界を迎えているのでしょうか。
この記事では仕事を辞めたいストレスの原因やストレスから生じがちな身体症状、退職する前に知っておくべき知識等について解説しています。
この記事を読んで、あなたが抱えているストレス度合いを見極めて、退職すべきかどうかを判断しましょう。
この記事の目次
仕事を辞めたいストレスの原因
仕事を辞めたいくらいにストレスを感じる原因はどこにある人が多いのでしょうか。
マンパワーグループ株式会社が20歳〜59歳の対象者400人に対して実施したアンケートによると、「上司との人間関係」(男性46.3% 女性42.9%)を筆頭に人間関係に対してストレスを感じている人が多いことがわかります。
引用元:「マンパワーグループ、「職場でのストレス調査」結果発表」マンパワーグループ
他にも仕事の内容や仕事量等に対してストレスを感じる人が多い傾向にあります。
今回は中でも特に多い人間関係に関するストレスの原因について、確認していきましょう。
人間関係のストレスが大半
仕事は人とのコミュニケーションによって進行していく場面が多いことから、人間関係が上手くいかないと仕事全体にストレスを感じる傾向にあります。
上司と部下の人間関係
特に上司との関係がうまくいかないと、上司から仕事を任されても素直に従う気持ちが失せることもあります。
- 上司が仕事の成果を横取りする。
- 誰にでも出来る仕事を任せてくる。
- ストレスになる言い方で注意される。
- 上司自身が仕事ができない。
- 上司の業務上のミスの責任をなすり付けられる。
また、人事考課の際にも初めに直属の上司が自身の評価を下す場合も多いため、客観的に適切な評価がされているか不安になってしまいます。
結果として、自身も適切に評価されているか分からないし、上司から渡された仕事をこなす気にもなれなくなり、会社を辞めたくなることもあるでしょう。
一方で上司が部下との人間関係にストレスを感じるケースもあります。
例えば以下のようなストレスを感じる傾向にあります。
- 部下が業務に関する報告をしない。
- 部下が無断で行動する。
- 部下が無断で行動した結果の責任を追及される。
- 部下の業務ミスの手直しが多い。
上司は自身の評価を上げようとするため、部下が足手まといだという感覚になる一方で、部下は上司の思いやりのなさを感じ取ってしまいます。
つまり、上司と部下は互いに自己利益を追い求めようとする余りに感じる悩みのために、人間関係に不和が生じていることがわかります。
とはいえ、上司の人間性を変えることは困難なので、上司の行動を変えることは出来ないでしょう。
後ほど説明するストレスによって発症する症状が出ている場合は、嫌な上司から解放されるために転職も視野に入れることをお勧めします。
同僚との人間関係
同僚らの飲み会に呼ばれなかったり、無視されることによる疎外感が職場での居辛さに繋がります。
会社は本来仕事をするために行く場所であり、同僚と馴れ合いになる必要はありません。
しかし、業務をこなす中で同僚ともコミュニケーションする必要が出てきます。
そのため、淡々と業務をこなすことに集中する中でも人間関係を完全に無視することは出来ません。
周囲からの陰口や悪口が気になる場合は、人間関係を一新して人間関係が良いこと、自分の求める職場の雰囲気を重視して転職先探しを始めるのとをお勧めします。
ストレスにより引き起こされる症状
仕事のストレスにより体に引き起こされる症状について解説して行きます。
あなたが、あまり重視せずにやり過ごしている症状は実は身体のストレスに対する限界のサインなのかもしれません。
ストレスから生じる症状を知った上で、もし該当する症状が重度に見受けられる場合には、今おかれている環境を変えることも視野に入れましょう。
突然の腹痛
朝起きたときに、突然の腹痛に襲われてしまう事があります。
会社行こうとすると、下痢や嘔吐感を感じる場合はストレスを強く感じているサインです。
私自身も、朝仕事に行く際に腹痛に襲われて、満員電車に乗る際に胃酸が上がってくることが多々ありました。
腹痛はストレスが続くことにより、慢性化して過敏性胃腸炎になる可能性があります。
過敏性胃腸炎の主な原因はストレスです。
過敏性胃腸炎では慢性的に腹痛と下痢が生じます。
IBSの患者さんでは、脳から腸に向かう信号と腸から脳に向かう信号の両方が強くなっています。ストレスは脳から腸に向かう信号を強くし、自律神経・内分泌を介して消化管運動を変化させます。食物はその種類と摂取方法によっては腸から脳に向かう信号を強くし、知覚過敏状態を引き起こします。また、ある種の細菌は、腸にごく軽度の炎症を起こしたり、粘膜を弱らせてしまうことでIBSを起こりやすくしていると考えられています。
引用元:「過敏性腸症候群(IBS)」日本消化器学会ガイドライン
つまりストレスによって、消化管運動が変化して知覚過敏状態を引き起こしていることが過敏性胃腸炎の発生要因です。
この過敏性胃腸炎は、頻繁に腹痛のみならず、おならが出てしまうことも特徴の1つです。
この症状は会議中などの重要な場面においても、構わず起こります。
筆者自身も営業マン時代にこの過敏性胃腸炎に悩まされました。
特にストレスを感じる場面で、症状が悪化することが多いので非常に生活しづらくなります。
慢性的な症状になる前に、下痢やおならが止まらないような症状が出たらストレスの原因である職場から離れることをお勧めします。
蕁麻疹
ストレスが原因で蕁麻疹を発症する場合があります。
下記の医師の見解にもある通り、神経系が原因で蕁麻疹を発症する可能性があります。
原因として考えられるのは、薬剤、食べ物、感染症、悪性腫瘍、膠原病、糖尿病、慢性肝炎などですがこれらはむしろ稀な場合です。いいかえると内科的な病気が原因でじんましんの症状だけがでてくることはきわめて少ないということです。神経系(脳神経、自律神経、末梢神経など)が原因のこともあります。
「じんましん(特に慢性じんましん)について」福山市医師会
神経系の中には、自律神経があります。
自律神経はストレスの影響により、特に神経が興奮する必要がない場面(家でゆっくりしている時や、入浴時等)で交感神経優位となってしまうことがあります。
副交感神経優位になる時間が少なくなれば、脳疲労が十分に回復しません。
こういった神経の異常が原因で、蕁麻疹が発生することも少なくありません。
もちろん他にも考えられ得る原因はありますが、ストレスが限界にきているサインの1つとして心に留めておくことをお勧めします。
うつ病
うつ病の明確なメカニズムは明らかになっていませんが、ストレスが原因でうつ病は発症します。
うつ病やストレス等による不安障害を持つ患者数は年々増加しています。
引用元:「精神疾患による患者数」知ることから始めようみんなのメンタルヘルス(厚生労働省)
一度以下のうつ病チェックリストで自身がどの程度当てはまるか確認することをお勧めします。
以下の症状のうち、少なくとも1つある。
1.抑うつ気分
2.興味または喜びの喪失
さらに、以下の症状を併せて、合計で5つ以上が認められる。
3.食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
4.不眠あるいは睡眠過多
5.精神運動性の焦燥または制止(沈滞)
6.易疲労感または気力の減退
7.無価値感または過剰(不適切)な罪責感
8.思考力や集中力の減退または決断困難
9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図
引用元:「うつ病の診断基準(DSM-Ⅳ)」一般社団法人神戸市医師会
チェックリストに当てはまる症状が2週間以上続いた場合には、メンタルクリニックで一度診察を受けた方が良いでしょう。
自律神経失調症
自律神経とストレスは密接な関係にあります。
そのため、過度なストレスを感じることで交感神経と副交感神経を適切に機能させることが難しくなります。
自律神経失調症では以下のような症状がみられます。
疲れやすい、めまい、ふらつき、のぼせ、冷え、頭痛、耳鳴り、動悸、関節の痛み、便秘、下痢、生理不順、口や喉の不快感、頻尿、残尿感、発汗、肩凝りなど症状には個人差が大きい。
引用元:「自律神経失調症」DOCTORS FILE
突発性難聴
突発性難聴は、ストレスを感じているときに発症しやすいと考えられています。
しかし、現在も詳しい発症メカニズムは明らかになっていません。
もし、突発性難聴になった場合は、耳鼻科に通った上でストレスが原因と判断されたら身体からの限界のサインだと考えましょう。
仕事を辞める前に知っておくべき知識
ストレスが限界にきて仕事を辞める前に、一度冷静になって知っておく必要がある知識があります。
ここでは退職する前に知っておくべき知識について解説して行きます。
辞める前に転職可能な実績の有無を確認する
転職後の将来についてある程度辞める前に、考えておく必要があります。
職を失っている期間は、将来のことを考えてしまい、非常に不安になる時期でもあります。
辞める前に転職するに十分なスキルや実績の有無を確認しましょう。
自身の転職できる可能性が高い職種等の目処があることで、安心して退職することができます。
客観的な確認を行うためには、2通りの方法があります。
1つめの方法は、自分で転職できそうな職種の「求める人物像」と年収を複数求人見て確認することです。
複数の求人で確認することで、自身の転職市場における市場価値を推し量ることができます。
2つめの方法は、転職エージェントと面談して転職できる可能性が高い求人を選定してもらうことです。
転職エージェントは、あなたの職務経歴書や履歴書を確認して、あなたの遂行してきた業務や実績を聞いた上で転職できる可能性が高い求人を紹介してくれます。
転職エージェントが確認するデータベースには、営業担当者が実際に企業が求める人物像についてヒアリングした情報が記載されています。
そのため、より現実的に転職可能性が高い求人を提供してくれます。
もし可能であれば、転職エージェントへの相談を検討しましょう。
退職したらする手続きを確認する
退職後の当面の生活で困らないために、必要な手続きが3つあります。
- 健康保険の加入手続き
- 年金の種別変更
- 雇用保険の申請
これらの手続きを行わないと、病気になって医療機関に通った際に実費で支払わないといけなくなり、失業手当ももらえなくなります。
また、将来の年金受給に関しても、退職してから転職するまでの期間に該当する分の受給が受けられなくなるので注意してください。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
仕事を辞める際のお悩み別の対処法
仕事を辞めると覚悟を決めたとしても、様々な理由から退職に踏み切れないことがあります。
そんな退職する際のお悩み別に対処法を解説していきます。
仕事を辞めたいけど言えない
仕事を辞めたいけど言えない理由は多岐に渡ります。
- 辞めた後の人出が心配
- 新卒で辞めるのは気がひける
- 上司が怖くて言えない
- 家族が認めてくれるか心配
それぞれの理由毎に対処法は異なります。
それぞれの対処法を知りたい方は以下の記事をご確認の上、あなたの悩みにあった適切な対処法を実践してみてください。
退職理由がわからない
退職理由の内容がまとまらずに、うまく退職の意思を上司に伝えることができない場合もあります。
退職理由によっては、上司から引き留めにあう可能性もあります。
仮により待遇を良くするなど自身に有利になる条件をちらつかせて引き留められても、待遇や人事に関する権限を上司が持っていなければどこにもその条件が実現する保証はありません。
退職するという意思をきっぱりと相手に伝えましょう。
退職理由が思いつかない場合は、以下の記事で退職理由のパターン毎に例文を紹介しています。
例文を参考に引き留めに合わない退職理由を考えましょう。
仕事を退職する際の流れがわからない
仕事を退職する際の流れは以下の通りです。
- 退職意思を伝える
- 退職届を提出する
- 業務の引き継ぎを行う
ただし、退職意思を伝える際に、引き留めや説得、最悪の場合は脅しといった退職トラブルに会う可能性もあります。
しかし、労働者には退職の自由が認められており、法律では退職希望日の2週間以上前に退職意思を伝える必要があるとされています。
職場でハラスメントに当たる発言が頻発している場合は、念のため退職意思を伝える際には音声録音をしましょう。
まとめ
仕事を辞めたいと感じていて、ストレスが原因で発症する症状が見られる場合は、しばらく休みを取って転職することを視野に入れましょう。
ストレスの原因となる環境を変えることがストレスから発症する症状解消の近道なのです。