仕事を辞めたいと思っていても、「家族や友人等に甘えで辞めたと思われるか不安だな。。」と感じることもあるでしょう。
退職理由が甘えだと判断されると、転職活動においても不利になる可能性もうあります。
仮に仕事を辞めた理由が甘えだと思われても、失敗を活かして転職先選びをすることで、後ろ指を指す人は少なくなります。
転職先で生き生きと働く自身の姿を目の当たりにすることで、逆に「あいつは転職してよかった」と思われて評価が上がることにも繋がる可能性があります。
この記事では、以下の内容について解説していきます。
- 仕事を辞めたいが甘えと言われれるケースとそうでないケース
- 仕事を辞めたいが甘えと言われないようにするための方法
- 仕事を円満退職するためのノウハウ
この記事を読んで、自身の仕事を辞めたい理由が甘えかどうかを判断して、それでも辞めたい場合は甘えと言われないようにするための方法を知った上で、まずは今の仕事を円満退職することを目指しましょう。
仕事を辞めたいが甘えと言われる場合
仕事を辞めたい理由について、甘えと言われるケースはどのようなパターンがあるのでしょうか?
ここでは仕事を辞めたい理由として甘えと判断される可能性が高い理由についてご紹介します。
仕事内容が嫌いだから
仕事の内容が嫌いであることを理由に辞めることは一般的に甘えと言われる可能性があります。
元々は、あなた自身がやりたいと感じて、その仕事を選んだはずです。
どのような仕事にも、華やかな一面の裏側で地味な仕事もあります。
その仕事の本当の面白さは、すぐに分かるものではない可能性があります。
仕事内容が嫌いという感情の背景には、仕事内容が分からないから辛いことが原因であることも考えられます。
難易度の高い業務は、問題解決を繰り返すことで効率的に出来るようになります。
難易度の高い業務であればあるほど、問題が発生して頭を抱える機会が多くなりますが、そこで考えて解決する機会の数だけ、出来ることは増えて効率的に業務が行えるようになります。
その結果、仕事で出来ることが増えていって、仕事が楽しくなるのです。
今は目の前の仕事がこなせず、辛いと感じるかもしれませんが、一度仕事を効率的にこなせるようになると仕事の楽しさが分かるようになる時期が来るかもしれません。
上司が嫌いだから
上司が嫌いだからという理由で仕事を辞めるのは一般的に甘えと言われる可能性が高いと言えます。
マイナビの実施したアンケートによると、「職場に嫌いな上司がいる。」と回答した人は実に73.5%もいます。
引用元:「「上司が嫌いで辞めたい!」実際に転職した人はXX%。退職理由にしていいの?」マイナビ
一方で、嫌いな上司に対して仕事だと割り切って普通に仕事をしている人は61.4%、逆に実際に転職や異動をした人は19.3%しかいません。
引用元:「「上司が嫌いで辞めたい!」実際に転職した人はXX%。退職理由にしていいの?」マイナビ
データを見ると分かるとおり、職場内に嫌な上司はいるが、何らかの方法で仕事を継続している人がほとんどです。
嫌な上司がいても、「仕事だから関わるのはビジネス上の最小限に留めておこう。」と考えて、仕事自体に打ち込むことをお勧めします。
早起きするのが辛いから
朝早起きすることが辛いから会社を辞めたいというのは一般的に甘えと言われる可能性が高いと考えられます。
株式会社アスマークの睡眠に関するアンケート調査によると、朝7時までに起床する人の割合は75%程度です。
中には、朝5時に起床する人も5%程度存在します。
引用元:「睡眠に関する調査」株式会社アスマーク
大半の人は、朝7時までに起床していることからも、朝早起きすることが辛いから会社を辞めたいというのは甘えだと判断される傾向にあるでしょう。
責任が重いから
自身の担当する業務の責任が重いから仕事を辞めたいというのも、甘えと判断される可能性が高いでしょう。
企業において、優秀な人材には責任を伴う業務を任せることが通常です。
責任が伴う業務ができる人材は限られているため、年収も高くなる傾向にあります。責任を伴う業務で実績を上げることで、更に重い責任を伴う業務が任せられます。
このようにして、責任に相応しい役職が与えられて、年収が上がるのです。
業種、業界問わず、出世するためには責任の伴う業務を遂行する必要があります。
ワークライフバランスを重視して、趣味や私生活に没頭したいのであれば話は別ですが、仕事に精を出したいにも関わらず、責任が重いので会社を辞めたいというのは甘えと指摘されても仕方ないと言えるでしょう。
仕事中眠くて頑張れないから
仕事中眠くて頑張れないというのも甘えと言わても仕方がないと考えられます。
実際に仕事中に眠気を感じるビジネスパーソンは8割も存在します。
引用元:「2018年度「企業の睡眠負債」実態調査」ニューロスペース
睡眠時間に満足していない人の割合を見ても、74%もいます。
睡眠時間が取れないことで業務効率が低下し、残業時間が多くなるという負のループが形成されていると考えられます。
引用元:「2018年度「企業の睡眠負債」実態調査」ニューロスペース
昼休みに15分程度仮眠を取る等の対処方法を検討して、仕事の業務効率が低下して残業時間が多くならないように工夫しましょう。
実際に昼休みに仮眠を取ることで実に66.7%の人が「生産効率が改善された。」と回答しています。
引用元:「仮眠は生産性向上に効果--ニューロスペースと三菱地所が共同で検証実験」CNET JAPAN
仕事を辞めたいが甘えと言われない場合
仕事を辞めたい理由として、甘えだと判断されない理由はどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは仕事を辞めたい理由が甘えだと判断されない理由について解説します。
ハラスメントを受けている
会社からハラスメントを受けている場合、仕事を辞めたいと言っても甘えと判断される可能性は低いでしょう。
ハラスメントを受けている状態を放置することで最悪の場合、社会復帰が難しくなるほどうつ病等が悪化する可能性もあります。
ハラスメントを受けている場合は、早急に退職の申し出をして、自身の心を守るようにしましょう。
今の職場でのキャリアアップに限界を感じている
- これ以上この職務内容から学ぶことがない
- 日々単調なルーティンワークの繰り返し
- この職場に就職して獲得したかったスキルを習得した
- 業務が終業時間よりも早くに終わって退屈
上記のような場合は、自身の能力が職務を上回っており、転職することでよりレベルの高い仕事に就職できる可能性があります。
自身が業務が簡単すぎることに対して、「退屈だ。」と感じる場合、本当はもっとレベルの高い仕事についてスキルアップしたいと感じている事が多いのではないでしょうか。
また、自身のキャリア設計において、在職中の仕事で得たかったスキルの獲得に成功した場合、次のステージへと進むためにさらにレベルの高い職務へと転職する必要があるでしょう。
自分の身に付けたいスキルと将来実現したいキャリアを考えた上で、更にレベルの高い職務に挑戦しましょう。
人間関係が仕事に影響するほどに悪い
人間関係も多少、上司との人間関係がうまくいかない程度のことはほとんどの人が経験していることです。
しかし、社内での派閥争いやいじめなどで仕事自体にも影響が出ている場合に、甘えと判断する人は少ないと考えられます。
業務を遂行するにあたり、社内での業務事項に関するコミュニケーションは必要不可欠です。
人間関係が、自身の遂行する業務を阻害するレベルにまで悪化しているケースでは、転職して新たな職場でストレスなく業務に集中することをお勧めします。
仕事を辞めたいが甘えと言われないための対処法
仕事を辞めたい理由が甘えだと言われるような理由である場合、同じことが原因で退職することを繰り返さないようにすることが重要です。
仕事を辞めたいと感じた本質的な原因を考えて、次の転職先選びに活かしましょう。
転職先で長期間勤めることで、他の人から「おまえの転職は逃げるためだ。」と言われることも無くなります。
辞めたいと感じた本質的な原因を見つける
辞めたいと考えた本質的な原因は何かを考えましょう。
頭に浮かんだ辞めたいと感じた表面的な理由を、「なぜ?」を繰り返すことでより深く考えることで本質的な原因を探ることができます。
例えば、以下のように本質的な原因を探りましょう。
→「睡眠時間が少なかったから」
→「残業時間が長く、帰るのが遅かったから」
→「分からないことをすぐ聞けるような環境ではなかったから」
→「人間関係がギクシャクしていたから」
転職先選びの基準を明確化する
探った末に確認できた仕事を辞めたいと感じた本質的な原因をもとに、転職先を選ぶ際の基準を明確にしましょう。
前述の例の場合は「社内の人間関係がフラットで、気軽にコミュニケーションを取りやすい職場」が転職先を選ぶ際に重視すべき基準となります。
ただし、本質的な原因を探ることを疎かにして表面的な原因から転職先選びの基準を決めると、転職先でも同様の問題が起こる可能性があることに注意しましょう。
先程の例において仮に「朝の始業時間が遅い」ことを転職の基準として設定すると、正社員雇用の場合の労働時間は8時間と設定されていることがほとんどのため、朝が遅くても今度は帰宅時間が遅くなります。
結局、睡眠時間が少ない問題は解決しないため、朝の起床時間が遅くても眠い状態は変わらないでしょう。
退職以外の選択肢を模索する
退職しなくとも、仕事を辞めたい理由を解決出来る可能性はあります。
部署の変更や職務変更について、会社の人事権限を持つ役職者に相談してみることをお勧めします。
例えば、上司が嫌で仕方ない場合、役職者に相談することで直属の上司を変えてもらえるかもしれません。
仕事の内容が合わないケースにおいても、職種を変更してくれることもあります。
退職と転職活動には非常に多くのストレスがかかります。
大阪府立公衆衛生研究所の実施した調査によると、退職にかかるストレスは夫婦の和解調停と同程度のストレス指数に匹敵します。
引用元:「ライフイベント法とストレス度測定」大阪府立公衆衛生研究所 精神衛生部
このデータからも、退職せずに仕事を辞めたい原因を解消出来るのであれば、在職中の会社内で配置変更等による解決をお勧めします。
仕事を円満退職するための注意点
もしどうしても会社を辞めたいという場合、円満に退職するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?
ここでは、仕事を円満退職するために知っておくべき注意点について解説します。
退職理由は事前に考えておく
退職理由を考えずに上司に退職の申し出を行う場合、その場でつい感情的になってしまい日々感じていた不満をそのまま退職理由としてぶつけることにもなりかねません。
当然、不満を直接ぶつけることで上司との間でトラブルになるケースもあるでしょう。このように退職の申し出の際に、退職トラブルに発展しないためにも退職理由について事前に用意しておくことをおすすめします。
退職日の1ヶ月以上前に退職の申し出をする
退職の申し出は退職希望日の1ヶ月前には済ませておきましょう。法律上では、2週間前に退職の申し出を行うことで退職できることになっています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元:民法627条1項
しかし、企業の定める就業規則において一般的に「退職日の1ヶ月前に退職の申し出を行わなければならない」と記載されているケースが多いです。
就業規則の記載に反しても、2週間以上前であれば民法上も問題はありませんが、退職トラブルを防ぐためにも1ヶ月以上前に退職の申し出を行うことが無難です。
業務の引き継ぎを入念に行う
業務の引き継ぎを入念に行うことを心がけましょう。
業務の引き継ぎが不十分なために、後任の担当者が業務遂行できない場合、必要に応じて退職後に会社から前の業務内容について質問するために連絡が来るケースもあります。
自身にとっても、前の会社の業務を思い出してしまうため、気分を害する可能性もありますよね。
そうならないためにも、出来れば自身の担当する業務をマニュアル化してドキュメントなどにまとめてから、後任の担当者に業務内容を共有するようにしましょう。
仕事を辞めたいけど言えない場合の対処法
仕事を辞めたいけど言えない場合にはどうすれば良いのでしょうか?
仕事を辞めたいけど言えない原因は人によって様々です。
- 新卒で辞めるのは気が引ける。
- 上司が怖くて言えない。
- 上司が忙しくてタイミングが掴めない。
- 業務を投げ出すのが不安。
それぞれの原因に応じて、対処法は異なります。以下の記事を読んで、ご自身の悩みに合った対処法で胸を張って退職の申し出を出来るようにしましょう。
まとめ
仕事を辞めたいという理由は、甘えと判断されるケースと判断されないケースがあります。
もし仮に、甘えと判断されるような理由で仕事を辞めたとしても、その後の転職先で長く勤務出来れば「あいつは甘えで会社を辞めた。」と後ろ指を指す人は少なくなるでしょう。
後ろ指を指されないためにも、転職先を選ぶ際には仕事を辞めたいと感じた本質的な原因を見つけた上で、転職を成功に導きましょう。