退職理由は嘘でもいい?退職理由で嘘をつく人の割合とメリット・デメリット
  • 退職理由で嘘をついている人ってどれくらいいるんだろう?
  • 退職理由で嘘をついた際にバレないか不安。
  • 自身の退職理由はトラブルに繋がらないだろうか?
  • 本音の退職理由を申し出ないことに罪悪感を感じる。

退職理由として嘘の退職理由を用意することに上記のような悩みを抱える人は少なくないでしょう。

筆者自身も20代にして2回退職をしましたが、1度目の退職では退職理由を用意せず、本音をぶつけたことで退職トラブルに発展して、その後会社のメンバーとギクシャクした苦い思い出があります。

そんな筆者が退職理由で嘘をつくことに関して、様々な観点から以下の内容について解説します。

この記事を読んでわかること
  • 退職理由で嘘をつく人の割合
  • 退職理由で嘘をつくメリット・デメリット
  • 円満退職しやすい退職理由例文
  • トラブルになりやすい退職理由
  • 円満退職するための注意点

ぜひ最後まで読んで、円満退職するために最適な退職理由を検討するのにお役立てください。

退職理由で嘘をついてもいい?

退職時に、本音を会社に伝えるとトラブルに発展しかねないような場合に、退職理由で嘘をつくこと自体は特に問題ない行為です。

もし、直属の上司への不平や不満が本当の退職理由であった場合、そのまま退職の申し出の際に退職理由として伝えるとトラブルに発展する可能性があることは誰が判断しても明らかです。

他にも給与や仕事内容等を含めた会社側の責任があるような退職理由の場合は、そのまま嘘をつかずに伝えることで、退職トラブルに発展すると考えられます。

 

改めて自身の退職理由を見直した際に、そのまま退職の申し出の際に伝えるとトラブルにならないかどうかを基準に、退職理由で嘘をつくかどうかを検討しましょう。

本音を伝えることで、気分はスッキリするかもしませんが退職をスムーズに認めてもらえなくなるストレスを後ほど抱えるケースは少なくありません。

退職理由で嘘をつく人の割合

実際に円満退職するために、嘘の退職理由を伝える人の割合はどの程度いるのでしょうか?

INOUZtimesが行った調査によると、退職理由で本当のことを話していない人の割合は57%でした。

退職理由で本当のことを話した人の割合

「「退職理由は嘘が多い」のが当たり前?」INOUZtimes編集部

約6割近くの人が円満退職するために嘘を交えた退職理由を伝えていることになります。

では本音の退職理由と嘘の退職理由、それぞれどのような理由が多いのでしょうか?

本音と嘘の退職理由において、それぞれ多い退職理由は以下の通りでした。

本音の退職理由で多いもの
  1. 報酬をあげたい(57%)
  2. 上司とあわない/職場の人間関係が合わない/評価に納得できない(48%)
  3. 会社の将来に不安を感じる(37%)
嘘の退職理由で多いもの
  1. 仕事の領域を広げたい(68%)
  2. 専門スキルや知識を発揮したい(59%)
  3. 会社の将来に不安を感じる(28%)

転職者の嘘と本音の退職理由ランキング

引用元:「転職コンサルに聞いた!求職者の「転職理由(退職理由)のホンネとタテマエ」」エン人事のミカタ by エンジャパン

データからも分かる通り、本音と建前の退職理由を分けて、会社側がプラスに捉えやすい建前の退職理由を伝える人が多いのが事実です。

退職理由で嘘をつくメリット

退職理由で嘘をつくメリットはどのような点でしょうか?退職理由で嘘をつくメリットは以下の通りです。

退職理由で嘘をつくメリット
  • 引き留めに合う可能性が減る
  • 退職トラブルに発展しずらくなる
  • 退職後も会社にいた人との人間関係等が良好に保つことができる

それぞれの理由を具体的に確認しましょう。

引き留めに合う可能性が減る

例えば、本音の退職理由として「報酬を上げたいので転職します。」と伝える場合、直属の上司は「もっと給料を上げられるように会社に掛け合ってみるから残って欲しい。」と引き留める可能性があると考えられます。

 

しかし、退職の申し出を行った上司が、あなたの給与を最終決定出来る権限がないケースがほとんどでしょう。

最終的な給与の決定権限を持っていない限り、その上司の力であなたの給与を上げられる保証はどこにもありません。

このようなあまり意味のない引き留めを回避する場合、退職理由として嘘を伝えることは有効に機能するでしょう。

退職トラブルに発展しずらくなる

特に上司とあわないことが本音の退職理由の場合、その理由を退職の申し出の際に直接上司に伝えることで、退職トラブルに発展する可能性が高いことは誰の目からも明らかです。

このような直接会社に伝えることで特定の誰かとトラブルに発展しかねないような理由が本音である場合、円満に退職するために嘘の退職理由を伝えることをお勧めします。

退職後の人間関係を良好に保てる

本音の退職理由を伝えることで、会社とトラブルになった際、他の社員の指揮に影響するという理由から「他の会社メンバーとの連絡は断つように。連絡が来ても、返信しないように。」と釘を刺されるケースもあります。

実際に、著者が新卒で入社した会社を退職する際にトラブルに発展してそのような旨を伝えられたことで、仲が良かったメンバーとの連絡をお互いに取りづらくなりました。

会社のメンバーとの人間関係を良好に保つためにも、トラブルになりそうな理由である場合は、建前上の退職理由を用意することをお勧めします。

退職理由で嘘をつくデメリット

退職理由で嘘をつくデメリットはどのような事が考えられるのでしょうか。嘘の退職理由を用意するデメリットは以下の通りです。

嘘の退職理由を用意するデメリット
  • 嘘を一貫して突き通す必要がある
  • バレないように用意するのに手間がかかる
  • 嘘がバレる可能性がある

それぞれのデメリットについて具体的に確認しましょう。

嘘を一貫して突き通す必要がある

退職後に、社内で関わりがあったメンバーからSNS等を通して、連絡が来て退職理由について聞かれることが良くあります。

ここで本音の退職理由を伝えてしまうと、噂になって最終的に会社で本音の退職理由がバレる可能性があります。

退職した後に、社内で本音の退職理由がバレても特に問題はないことがほとんどです。しかし、退職の申し出を行った後から退職日までの間にうっかり本音の退職理由を漏らしてしまうことで、後日退職トラブルに発展する可能性もあるでしょう。

 

少なくとも退職日までは、例え仲の良い仕事の同僚であっても、本音の退職理由を伝えることは控えるようにしましょう。

バレないように用意するのに手間がかかる

嘘の退職理由を用意した際に、退職の申し出時に上司から嘘の退職理由が疑われるケースがあります。

嘘の退職理由を伝えた際の上司からの質問に対して、論理的な一貫性を持って答えることができなかった場合に疑われて、つい本音の退職理由を漏らすことで退職トラブルに繋がるケースもあると考えられます。

嘘の退職理由は、初めに伝える内容を考えるだけでなく、そのあとの上司からの想定問答も含めて考えておくことで、より現実的に論理的な一貫性を持って伝えることが出来るでしょう。

嘘がバレる可能性がある

嘘がバレるケースでよくあるパターンは以下の2つです。

嘘がバレるケース
  • 同僚等に本音の退職理由を伝えてしまう。
  • 退職の申し出の際に、上司に疑われる。

上記のパターンについての対策は、前述した通りです。

少なくとも退職日までは、退職理由が嘘だとバレないように対策を万全にしておくことをお勧めします。

おすすめの退職理由例文

実際に嘘の退職理由を考えるにしても、上司から引き止めにあったり、深く追求されるような理由は避けたいですよね。

退職理由作成のイメージ画像

ここでは円満退職するために、おすすめの退職理由についてご紹介します。

参考にして、ご自身が違和感なく伝えられそうな退職理由を検討する際にお役立てください。

結婚や出産を理由にする場合

結婚や出産を建前上の退職理由とすることも1つの方法です。

結婚や出産に対して、相手を誹謗中傷することはハラスメント(マリハラ、マタハラ)に当たります。ハラスメントの罰則は厳しく、企業全体にも影響を与える可能性があるため、上司が嫌味を言ったりすることは少ないと考えられます。

結婚・出産の退職理由例文
お時間をとっていただき、ありがとうございます。
この度、かねてよりお付き合いをしていた方と結婚をすることになりました。

現在の仕事も非常に充実しているため、結婚後の生活との両立も考えましたが、家庭を築くことに注力したく退職を決意しました。
〇〇月を持ちまして退職したいと考えております。

ご理解頂けますと幸いです。
何卒宜しくお願い致します。

健康上の問題を理由にする場合

健康上の問題で病院に通院したところ、医師からも会社へ出社し続けてはならないような症状であると診断されたことを退職理由として使用するのも1つの方法です。

健康上の理由であるため、会社側もこれ以上業務を継続させることで労災等に繋がることを恐れて、無理な引き留めを行うことも少ないと考えられます。

会社によっては、診断書を求められる場合もあります。より自身の主張に信憑性をもたせるためにも、病院で診断書を発行してもらうことをお勧めします。

健康上の問題の退職理由例文
お時間を頂き、ありがとうございます。

しばらく体調不良を我慢して出社しておりましたが、先日病院で診察を受けたところ、医師よりしばらくの間休養を取る必要があると言われました。
休職することも考えましたが、完治するまでに長期間を要することが想定されるため、退職を決意いたしました。

〇〇月を持ちまして退職したいと考えています。
何卒ご理解頂けますと幸いです。

新たな業務へのチャレンジを理由にする場合

新たな業務へのチャレンジすることというプラスの退職理由にすることで、退職の申し出を否定したり引き留めることが難しくなります。

新たなスキルを獲得してキャリアアップしようとしている本人を否定することは、個人の成長をしてまで会社に貢献させることになるため、退職トラブルにも発展しにくいと考えられます。

新たな業務にチャレンジする退職理由例文
お時間を頂き、ありがとうございます。

実は以前より挑戦したい業務がありまして、自身の年齢を考えるとチャレンジするなら今しか無いと思い、退職を決意しました。
〇〇月を持って退職したいと考えています。

何卒ご理解のほど、宜しくお願いします。

身内の介護を理由にする場合

両親等の介護を理由に、退職の申し出を行うことも退職トラブルに繋がりにくいでしょう。長男であれば、両親の介護のために実家に戻る関係で今の会社に出勤できなくなることは、よくあるケースです。

身内の介護の退職理由例文
お時間を頂き、ありがとうございます。
父親が介護が必要となり、長男であるため、私が実家で介護することになりました。
それに伴って、引越しするため、この度退職を決意いたしました。
〇〇月を持って、退職したいと考えています。
何卒ご理解のほど、宜しくお願い致します。

他にもおすすめの退職理由について知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。

トラブルに発展しやすい退職理由例

逆にトラブルに発展しやすい退職理由としてはどのようなものがあるのでしょうか。

退職トラブルのイメージ画像

ここでは、トラブルに発展する可能性がある退職理由についてご紹介します。

もしあなたが退職理由として伝えようとしている理由に当てはまった場合は、上述した退職理由を参考に建前上の退職理由を作ることをお勧めします。

人間関係に嫌気が差した

人間関係に嫌気が差したという理由は、部署等の配置変更によって解決すると考える場合もあるため、引き留められる可能性があるでしょう。

引き留めに合わないためにも、他の引き止めの余地がない退職理由を検討した方が無難です。

ノルマが辛すぎる

ノルマが辛すぎることを退職理由として上司に伝えても、「周りの人間は毎月ノルマをクリアしようと努力している。君1人だけがノルマが辛いと辞めるのは甘えだ。」と反論されるケースが多いでしょう。

しかし、無理に耐えて精神的なストレスが限界に達すれば、社会復帰が難しくなるケースもあります。

そうならないためにも、他の退職理由を検討する方が良いでしょう。

通勤時間が長すぎる

通勤時間が長すぎることを退職理由として伝えた場合も、甘えだと言われて退職トラブルに繋がる可能性があるでしょう。

通勤時間が長くなることを承知の上で入社しているため、通勤時間を退職理由として退職する際にはトラブルになる可能性が高いと考えられます。

実際に入社して日々通勤する中で、長い通勤時間に強いストレスを感じて鬱病等の症状が見られる場合は、医師の診察により発行された診断書を持参の上で退職の申し出を行う方が良いでしょう。

給与が安すぎる

給与が安すぎることを退職理由として申し出た場合、引き止めに会う可能性があります。場合によっては上司が「給与を上げてもらうように交渉するから、会社にいてくれ。」と引き留めることもあるでしょう。

 

しかし、上司があなたの給与を決定する権限を持っていない限り、上司の交渉の結果、あなたの給与が上がる保証はどこにもありません。

給与が低いと感じて退職したいとまで考える場合、これまでも労働量に対して給与が低い状態が変化しなかったということでしょう。

 

これまでも労働量に対する給与の低さを問題視しなかった会社が、上司の一言で変わる可能性は低いと考えられます。

少ない可能性を信じて、その会社に居続けるよりは、他の嘘の退職理由を申し出て円満退職したうえで、自身の実力を認めてくれる企業に転職した方が無難です。

円満退職を成功させるための注意点

円満退職を成功させるためには、知っておくべき注意点があります。

退職トラブルにならないためにも、注意点を把握した上で退職日まで慎重に行動しましょう。

事前に適切な退職理由を検討する

本音をそのまま退職理由としてぶつけると、つい感情的になってしまい、退職トラブルに発展してしまう可能性があります。

一度冷静になって、改めて退職理由を見直した際に、会社に伝えるとトラブルになりそうな場合は建前上の退職理由を伝えることも視野に入れましょう。

退職の申し出は退職の1ヶ月以上前に行う

退職時のトラブルに繋がらないために、退職の申し出は退職の1ヶ月前には行うことが無難です。

会社によって異なりますが、就業規則に退職の際には退職日の1ヶ月以上前に申し出る旨が記載されているパターンが一般的です。

民法上は2週間以上前に申し出れば問題ありませんが、退職トラブルを防ぐために退職日の1ヶ月以上前に退職の申し出を行うようにしましょう。

退職のタイミングを考える

退職トラブルになりがちなパターンとして、担当しているプロジェクトの途中で退職した結果、引き継ぎする業務量が膨大となり、業務の引き継ぎが終わらない状態で退職日を迎えてしまうことがあります。

プロジェクトの途中である場合には、引き継ぎのことも視野に入れて退職のタイミングを見極めるようにしましょう。

引継ぎは入念に行う

自身の業務の引き継ぎを完全に行わないまま退職することで、自身の退社後の評価を落とすことになります。

退職後に、退社した会社のメンバーと連絡を取りづらくなり、もし転職先の会社に前に在籍していた会社の営業が出入りしている場合等は、転職先での自身の評価も損なう可能性すらあります。

退社後に心配を残さずに退職するためにも、自身の業務内容をすべて後任担当に伝えた上で退職しましょう。

まとめ

今回は退職理由で嘘をつくことに関する知識を様々な観点からご紹介しました。

本音で退職理由を伝えることは、円満退職を目指す観点から必ずしも正解だとは限りません。

改めて、自身が伝えようとしている本音の退職理由が退職時のトラブルに繋がらないかどうかを考えた上で、必要に応じて建前上の退職理由を検討することも視野に入れることをお勧めします。

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