仕事を辞めたいけどお金がない場合にできる対処法8選

「仕事を辞めたいけどお金がない。。」

このような思いで、通帳を眺めながら退職することを躊躇している人も少なくないでしょう。

筆者自身も、普段から浪費癖があり、貯蓄5万円の状態で退職を躊躇しながら、嫌な仕事を続けていた時期がありました。

しかし、実は支出を抑える方法を知ることで、お金がない状態でもしばらく生活できる可能性があるという事実を知ったのは、かなり先になりました。

実はお金がない状態でも、支出を抑えることで仕事を辞めることができます。

この記事では具体的なお金がなくて仕事がやめられない際にできる対処法について、具体的にご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 仕事を辞めた後にかかるお金の種類
  • 仕事辞めたいけどお金がない場合に出来ること
  • お金がない状態で仕事を辞める際の注意点

仕事を辞めた後にかかるお金の種類

仕事を辞めた後にかかるお金の種類

仕事を辞めた後にかかるお金は具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは仕事を辞めた後にかかるお金について具体的にご紹介します。

転職活動にかかる費用

リクナビNEXTの行ったアンケート調査によると、転職活動にかかった費用として「10万円未満」と回答した人の割合は67.6%でした。

しかし、「10万円以上30万円未満」と回答した人も11.5%と少なくありません。

そのため、転職活動にかかる費用も軽視できません。

転職活動にかかる費用に関する調査

引用元:「転職時に貯金はいくら必要?転職にまつわるお金の話」リクナビNEXT

具体的には、以下のような費用が転職活動にはかかります。

転職活動にかかる費用の種類
  • 交通費
  • スーツ代
  • 履歴書代
  • その他資料代

特に職業柄、スーツを持っていない場合、出費が多くなるでしょう。

国民健康保険料

退職日以降、会社で加入していた社会保険を利用することが出来なくなります。

会社で加入していた社会保険の継続手続きを行うことで、これまで通り社会保険を継続できます。

 

しかし、これまで会社と折半して支払いを行っていた社会保険料を全額自己負担する必要があります。

そのため、会社を辞めた際に国民健康保険に加入することが一般的です。

 

国民健康保険料は、所得割という考えのもと、前年度の所得から基礎控除額である33万円を差し引いた金額一定割合を掛け合わせた費用に応じて変動します。

そのため、すぐに転職するような場合には前職の会社で加入していた社会保険を継続する方がかえって保険料が安くなる場合もあります。

もし、1年以上転職活動を行わない場合は、国民健康保険料が次年度から安くなるため国民健康保険料の方が安くなるケースもあります。

 

国民健康保険は自治体に応じて算出方法が異なるため、一概にどちらが得とは言えません。

後で説明しますが、家族の加入する社会保険や国民健康保険に被扶養者として加入することで保険料が安くなります。

国民年金

企業に勤めている間は、厚生年金として年金を支払っています。

企業を辞めると、厚生年金も脱退することになるため、国民年金へ加入する必要があります。

国民年金への加入は、20歳以上60歳未満の国民全員に義務付けられています。

そのため、国民年金の支払いは避けては通れません。

国民年金保険料は本記事の執筆時点では月額16540円です。(令和2年4月〜令和3年3月まで)

国民年金保険料は毎年見直しが行われるため、ご注意ください。

住民税

住民税は所得割の考えのもと、前年度の所得金額に応じて算出された所得割額に、定額がかかる均等割が加算されます。

おおむね、課税所得の10%程度と考えておいて差し支えありません。

生活費

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)ー平成29年度(2017年)ー」によると、単身世帯の生活費の平均は以下の通りです。

生活費の平均
食料品にかかる費用 3万9,649円
住居費用 2万680円
水道・光熱費 1万1,380円
家具・家事用品にかかる費用 5,044円
洋服代 5,661円
医療保険費 7,044円
交通・通信費 1万8,825円
教育費 7円
教養娯楽費 1万8,433円
その他の消費支出 3万4,900円
合計 16万1,623円

1人暮らしの場合、生活費として約16万円かかることが一般的と言えます。

後述する通り、節約することによってこの金額よりも生活費を抑えることは可能ですが、おおむねこの程度の生活費がかかることは想定しておくべきでしょう。

仕事辞めたいけどお金がない場合に出来ること

仕事辞めたいけどお金がない場合に出来ること

ここまで仕事を辞めた後にかかるお金についてご紹介してきました。

実際に各種税金や保険料を含めると、20万弱程度のお金が毎月かかることが想定できますね。

貯蓄がない状態で、これだけの金額をアルバイトだけで捻出して毎月支払うのも到底無理があります。

 

しかし、工夫次第では支出を抑えることができるため、現実的にはお金がなくても仕事を辞めることが可能です。

ここからは仕事を辞めたいけど、お金がない場合に出来ることについて具体的にご紹介します。

在職中に転職活動を行う

在職中に転職活動を行うことで、収入を減少させずに転職して嫌な仕事を辞めることができます。

この方法なら、退職から転職先で給与を得るまでの期間にかかる費用を心配する必要はありません。

しかし、そもそも仕事を辞めてからしばらく心身を休めたい場合には向かないため、以下より説明する別の方法を検討する必要があります。

住民税の分納を相談する

住民税の減税や免除については生活保護を受けている場合や、災害にあったケース等に限定されるため、現実的ではありません。

しかし、住民税の分納については、所轄の市区町村役所に相談することで認めてもらえる可能性があります。

筆者自身も退職から転職までの期間中、生活費に困窮した際に区役所に相談することで月1万円ずつの支払いに変更してもらうことができました。

相談後、1万円の納付額に変更された納付書が郵送されてきました。

住民税は所得割額と均等割額の合計により算出されます。
前年の年収に応じて所得割額が変動するため、退職直後の住民税は在職中と変わらない金額を請求されます。

退職したら、生活費を住民税が圧迫しないために、所轄の市区町村役所に住民税の相談を行いましょう。

賞与の支給を待ってから辞める

手持ちの資金が乏しい場合、生活を続けていくための資金集めに手一杯となり、転職活動を行う余裕もできません。

さらに、生活費がないことで心の余裕がなくなり、精神的な疾病を患うことも少なくありません。

筆者も、生活に苦しみ、メンタルクリニックに通って薬なしには眠れない日々を過ごした経験があります。

そうならないためにも、可能であれば賞与が支給されることが見込まれる場合は、支給があるまでは現職の仕事を継続することをお勧めします。

生活費の節約を行う

仕事を辞める前に、生活費の見直しを行いましょう。
具体的に以下の内容を実施することで、これまで当たり前のように支払っていた生活費を削減することができます。

生活費削減のためにできることリスト
  • 家賃削減のためにシェアハウスや家賃の安い地方への居住を検討する
  • 自家用車をレンタカーやカーシェアサービスに置き換える
  • 休みを平日にする
  • フリーランス向けの所得保障制度を活用する
  • 携帯を格安SIMを活用した格安スマホサービスに切り替える

もし、フリーランスとして独立を視野に入れている場合は、フリーランス向けの所得保障制度を活用するのも1つの方法です。

通常の保険の場合、所得取得者を前提として保険の支払い基準を設けているため、フリーランスとして活動中、病気や怪我による休業を余儀なくされたケースで十分な保険金が支払われないことが多いです。

フリーランス向けの所得保障制度に加入することで、病気や怪我で7日以上就労不能となった場合に、就労不能期間1ヶ月につき保険料が支払われます。

特に、国民健康保険に加入している場合には、直近12ヶ月の85%もの収入を保険金として受け取ることができるため、加入をお勧めします。

他にも格安SIMを活用した格安スマホに切り替えることで、月々のスマホ料金を大幅に抑えることが可能です。

また、休みを平日にすることで、娯楽や飲食サービスを受ける際にかかる費用を抑えることができるでしょう。

会社に務めるために、都心部に住んでいた場合、家賃を削減するために地方への居住を検討することも1つの手です。

工夫次第で生活費を節約することができるため、一度会社を辞める前に生活費の見直しを行うことをお勧めします。

アルバイトを行う

失業保険を受給しながら、アルバイトを行うことが可能です。

手持ちにお金がない場合は、アルバイトによる生活費の補填は必須ですよね。

ただし、失業保険を受給する際、退職後7日間の経過を待たずにアルバイトすると失業保険の待機期間が延長になってしまいます。

そのため、アルバイトをする場合は、退職から7日間経過後に勤務することにしましょう。

クレジットカードのキャッシングを行う

所持金が少なく、生活に困窮する場合はクレジットカードのキャッシングを活用して一時的に現金を借り入れることも1つの方法です。

ただし当然利息がかかり、返済する必要があるため、キャッシングを利用する際には、事前に転職時期も含めた資金繰りに関する計画を立てておく必要があります。

家族の加入する社会保険の被扶養者となる

もし家族の誰かが社会保険に加入している場合、家族の加入している社会保険の扶養に入ることで、自身の健康保険料を支払う必要がなくなります。

また社会保険の場合、扶養に入る人数に関わらず、社会保険料は一定です。
そのため、扶養に入れてもらう先の家族にも迷惑をかけることはありません。

もし家族の誰かが会社に属しており、社会保険に加入している場合は、扶養に入れてもらうことを検討しましょう。

各種控除を行い、課税所得を下げる

実は会社に勤務中でも、本来受けられる控除を知識不足のせいで受けていない人がほとんどです。

例えば、医療費控除は医療機関を受信した際に発行される明細書を集めて申告を行うことで、課税所得の控除を受けることができます。

実際に、このような作業を行なった経験がある人は少ないでしょう。
世帯内でかかった医療費は、控除対象となるため、例えば子供や妻等が医療機関を利用した際の医療費は課税所得から控除できます。

他にも扶養控除や、配偶者控除、生命保険料控除など条件を満たすことで様々な控除を受けることが可能です。

課税所得が減ることで、所得税や住民税の所得割額に当たる部分の金額が少なくなるため、税金を安く抑えることができます。

 

これまで説明したことを改めて振り返ってみると、意外と支出を削減するためにできることは多かったと感じるのではないでしょうか?

しかし、これで納得して辞めるのはまだ待ってください。

お金がない状態で会社を辞める前に知っておくべき注意点がいくつかあります。

お金がない状態で仕事を辞める際の注意点

お金がない状態で仕事を辞める際の注意点

お金がない状態で仕事を辞める際にはいくつか知っておくべき注意点が存在します。
退職前に行っておく必要があるものもあるため、後で後悔しないためにも具体的に確認しておきましょう。

雇用保険には給付制限期間がある

雇用保険は通常、7日間の待機期間と3ヶ月の給付制限期間を経た後に支給が開始される点には注意が必要です。

もし精神疾患や妊娠、出産、育児、通勤困難な土地への移転などによる離職を余儀なくされた場合は特定理由離職者に認定されます。

また、倒産や解雇等の通常、会社都合退職と見なされるような場合には、特定受給資格者に認定されます。

特定理由離職者や特定受給資格者である場合、3ヶ月の給付期間が免除されるため、7日間の待機期間後から雇用保険を受給することができます。

上記のいずれにも認定されない場合、3ヶ月と7日間は雇用保険の給付を受けることができないため、この期間の生計を維持する方法を事前に検討しておく必要があります。

アルバイトでの稼ぎ過ぎに注意

生活費の捻出しようと頑張るあまりに、アルバイトの1週間あたりの所定労働時間が20時間以上となった場合は雇用保険の加入条件を満たすことになり、失業保険の受給が認められなくなる可能性があります。

アルバイトをする際は、雇用先に1週間の総労働時間が20時間を超えないようにシフトを組んでもらうようにしましょう。

転職活動に余裕がなくなる可能性がある

手持ちの資金が不足することで、目先の生活費の支払いもおぼつかなくなってしまうことがあります。

このような場合、まだ納得できる転職先が見つからない状態でも、生活費が苦しいあまり、既に内定が出ている企業に妥協して転職せざるを得ないパターンも有り得ます。

手持ちの資金不足で転職活動を妥協しないためにも、事前に転職活動のスケジュールも含めた生計の計画を立てておくことをお勧めします。

退職前にクレジットカードの作成を済ませておく

退職した後は、定期的な収入が見込めなくなるため、クレジットカードの審査に通りにくくなります。

クレジットカードはいざという時に、キャッシングを活用することによって生活費の支払いを先延ばしにすることができるアイテムです。

クレジットカードの発行を既に行なっている場合も、センターに連絡して、既にあるクレジットカードの限度額を在職中に可能な限り上げておくことをお勧めします。

どうしようもなく生活費に困った場合に、キャッシングでお金を借りて転職後、まとめて返済する等の方法を取ることができます。

自身のいざという時のお守りとして、可能な限り多くのクレジットカードを発行して、限度額を最大限まで上げておきましょう。

まとめ

今回は仕事を辞めたいけどお金がない人に向けて、退職後に必要となるお金や辞めたいけどお金がない時に出来る手段や注意点等について解説しました。

お金がなくても、やり方次第で退職してしばらく生活することが可能であることがお分りいただけたのではないでしょうか?

しかし、いくら支出の削減を行なったところで収入が少ない限りは、いつまでも生計は維持できません。

受給期間が過ぎると、生活費の支柱となる失業保険も受給できなくなるため、あらかじめ時期を設定して計画的に転職活動を行うことをお勧めします。

 

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